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 A)『創られた天皇制』アマゾンのレビュー

      

   本書のこの Amazon レビューは,2016年10月上旬に気づい

   たのであるが,削除されていた。しかし,ここにこのように

   記録するかたちで,読んでもらえる状態になっている。

 

 B)『創られた天皇制』※ 正誤表(クリックすると下へ飛ぶ)

 


 

 A)『創られた天皇制−近現代天皇政治心理史研究:戦争責任・A級戦犯・靖国神社−』同時代社,2009年12月に対する「論評」への感想

 

 先日(2015年10月25日のこと)だったが,あれこれ通販で利用しているアマゾンで,自著を掲載(宣伝・販売)するための頁をのぞいたところ,以前にはなかったブック・レビューが寄稿されていたことに気づいた。

 上掲の著作『創られた天皇制』は2009年12月10日の発行であった。もう,5年と10ヶ月が経っている。いまごろになって,ようやく1件の書評をもらえたわけである。

 もっとも,この本は読みとおしてもらうだけでもしんどいはずである。いちおう学術書の体裁を採っているし,最近にしては活字も小さい組み版になっている。活字を大きめにしたら,頁数が増えて価格がより高くなる。装丁も上製本ではなく,並製本で制作してあった。

 


 

 以上の制作事情はともかく,アマゾンに投稿されたこの『創られた天皇制』に対するレビューは,こう記述されていた。なお,★は5つ(5段階評価で)が付けられていた。

 @「評 価」 5つ星のうち 5. 0

 A「題 名」 天皇制の真実を知りたい方必読!

 B「投稿者」 yamato101

 C「投稿日」 2015年10月10日

 D「形 式」 単行本 Amazon で購入  


 E「レビュー:本文」


 天皇制について追求している日本人は,現在,鬼塚英昭氏,高橋五郎氏と思いますが,この本は元大学教授らしく,冷静に,天皇制の闇を暴いています。

 例えば,明治維新で田布施陣営に担がれ,明治天皇に成りすました大室寅之佑。

 敗戦にあたり,戦争責任を東条英機にかぶせ,おのれの身の安全とニセ皇統の存続をアメリカにたのみ,米軍の沖縄永久駐留を依頼し,さらに憲法に違反して政治に口出ししてきたヒロヒト。

 著者は現在の天皇制にだまされて唯々諾々と認めている大多数の日本国民を憐れんでいるように思われます。

 ただただ,今の生活を守るために,ニセ天皇制を作った田布施陣営の後継者たち(自民党特に安倍晋三,大企業,官僚など)に奴隷的に従っている日本人を情けない国民だと思っているのでしょう。

 この書は日本人に覚醒を促しているように感じますが,変化を望まない,怠惰な,保守人間である日本人は馬耳東風で聞き流すだけに終わりそうです。

 この書籍は2009年に刊行されていますが,これまでレビューがなかったのが不思議です。本当のことを言われて,グーの音も出ないのでしょうか。それなら,そのことを書けばいいのですが・・・。

 

 F「原著者の感想」

 『創られた天皇制』2009年の執筆意図は,とくに「まえがき」「第1章 問題意識−なにを論じるのか−」「第14章 天皇制問題の正史と外史」に説明してあるので,ここでは言及しない。

 ただ「yamato101」氏の論評は,筆者の意図を,彼なりに能動的に理解した点を述べたものと受けとめている。

 世の中に公表されている天皇関連の本のなかには,天皇・天皇制の問題を根幹から徹底的に究明している業績がいくらでもある。だが,自分なりに興味を意欲的にもって文献を探索する人以外には,なかなか目に触れにくい実情にあると思う。

 天皇裕仁もただの人であった。それもたいそう政治的な人間像そのものを記録していた。この事実は,関連する歴史の展開模様を虚心坦懐に学べば,難なく理解できる真相であるに過ぎない。

 増田都子『昭和天皇は戦争を選んだ! −裸の王様を賛美する育鵬社教科書を子どもたちに与えていいのか−』(社会評論社,2015年6月)は,昭和戦前史における天皇裕仁の言説・行為が,とりわけ「天皇を中心にまとまって戦争する時代」において「一貫していた〈事実〉」を中心にとりあげて,手厳しく批判している。

 増田のその本には,高嶋伸欣と鈴木邦男の「推薦文」が巻頭に置かれていた。この鈴木邦男という人物はいうまでもなく,現在は「一水会顧問」の肩書きをもっている。鈴木は「歴史は,失敗も暗い面も含め,すべて認め,その上で,天皇制は日本に必要なのかどうか,それは堂々と論争したらよい」と述べている。

 増田がなかでも終始一貫して強調するのは,「昭和天皇はまったく『平和主義者』などではなかったのが事実であった」点についてである(増田,24頁)。この国は,明治中期になんとかしつらえた「大日本帝国憲法下,天皇を頂点に戴く神州を自称しだした」のであり,この「天皇制政治思想」を基本に据える「国家・人民〔臣民〕支配体制」を構築していた。

 要言すれば,どこまでも中途半端に民主主義を寸借したのが「明治帝政の出自・由来」であり,これに固有であったのも「封建遺制」性の特質であった。

 しかも「国家政策としての歴史偽造」(増田,72頁)は,その意味では『昭和天皇実録』(宮内庁監修,2015年3月に第1巻を公刊,以後第2巻以下も続刊)と同居しているといってもよく,それゆえ両者はいまもなお,呉越同舟の最中なのである。  

 宮内庁が24年かけて編集したその『昭和天皇実録』(東京書籍)が公刊されはじめた。そのうち,1901年〜1918年の出来事を収めた2冊が,まず2015年3月27日に発売されていた。価格は税別で1890円。事後,本文18冊と索引1冊の計19冊が,毎年3月と9月に2〜3冊ずつ刊行され,2119年3月での完結をめざしているという。

 『昭和天皇実録』は21世紀における「記紀の書」だとなぞらえられても,それほどおおげさな理解だといえないところに,明治以来に『創られた天皇制』には不可避の特性が伏在している。

 


 

 B)『創られた天皇制』正誤表−(上段が,下段が正)−

 

◎ 74頁5行目

       古賀誠の母が……

       古賀誠の母が……

 

◎ 76頁8行目

       北白川宮能久の第一子,北白川宮永久……

       北白川宮能久の孫,北白川宮永久……

 

◎ 186頁5行目

       園 祥子八人……女三歳・一歳・二歳・二歳・五三歳・八五歳・四三歳・二歳・二歳・三歳

         園 祥子八人……女二歳・男二歳・女五一歳・八四歳・四二歳・男二歳・女八一歳・三歳

 

◎ 186頁11行目

       ……幻惑されてはならないの注番号(55)

     3行あとの

       ……可能性がないとはいえない。 ⇒「いえない」のあとに付け替える。

 

◎ 205頁表3 【体躯】欄の下から2行目末尾部分

   ……ほぼ158p(トル)

     ……ほぼ158p」

 

◎ 230頁12行目

       ……なことできっこなよ

       ……なことできっこないよ。

 

◎ 253頁後〜6行目

   うに「言挙げしないわけにはいかない。

         うに「言挙げ」しないわけにはいかない。

 

◎ 254頁6六行目

       『国体の本義』(一九三)は

       『国体の本義』(一九三七)は

 

◎ 342頁5行目

        保俊司

        保坂俊司

 

◎ 391頁7〜8行目

   ……「非国民」という非難・罵倒=非難の矢がはなたれ,

   ……「非国民」という非難・罵倒=攻撃の矢がはなたれ,

 

◎ 408頁11行目

        二〇〇九年七月と八月における……

        二〇〇九年七月・八月・一〇月における……

 

◎ 453頁 最終行の誤植訂

    住すゑ

    住井すゑ  

 

◎ 478頁上段後ろから3行目

        保俊司

        保坂俊司

 

        ※ 2015年10月27日 記