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    2001年秋以降の石原慎太郎




 1) 東京都知事に就任後3年めにはいった石原慎
太郎は,本ホームページで多角的に批判・検討して
きたつもりだが,あいかわらず傍若無人ぶりを発揮
し,『われのみ絶対正し』とする我執を周囲に押し
つけようとしつづけてきている。

 他人・他者を馬鹿よばわりするなど序の口,テロ
リストあつかいもする。とくに「俺に反対する」な
どの奴は人間の範疇にも属さないといわんばかりの,
傲岸無比の発言もたびたびである。

 石原慎太郎問題をとりあげてきたこのホームペー
ジは,この作家出身都知事のわがまま〔唯我独尊〕,
自分以外の人々をいかにみくだしているかなど,詳
細に紹介しつつ吟味をくわえてきた。

 最近ではこの都知事が駆使する政治手法にひそむ
独裁的本質に気づきはじめた東京都民も出てきてい
る。けれども,「ミーハー」的人気においてはなお,
以前とかわらぬものがある。

 言論界では,石原慎太郎の意見や立場にそぐわな
い見解や批評を各種の雑誌に活字化することが困難
になっている,と指摘する関係者もいる。この事実
は,石原人気ブームに乗って雑誌を売らねばならな
い出版社が,出版‐言論機関としてしめす方針・姿
勢の真価を占わせる。

 2) 以上のまえがきを述べて,最近報道された新
聞記事を,つぎに紹介したい。  


 @ 『毎日新聞』2001年11月22日朝刊は,石原慎太郎都知事の関連記事を,こう報じた

  石原東京都知事があらためて「ノー」 

 衆院国会等移転特別委員会が21日開かれ,参考人として出席した石原慎太郎東京都知事は,「経済が疲弊しているなかで,国の試算では13兆円,(都の試算で)20兆円をはるかに超える巨大なプロジェクトをなんのために展開するのか」と,あらためて首都機能移転の反対を主張した。

  石原知事の参考人出席は,99年9月につづき2度め。石原知事は同委員会に対して,「(移転候補地にアクセスするために)不可欠な国際空港が議論のなかに全然とりいれられていない。まったくナンセンスだ。あきれますな。このプロジェクトの致命的な欠陥を挙げればきりがない」と述べた。  


 A 『朝日新聞』2001年11月22日朝刊は,石原慎太郎都知事に関する同上の記事を,こう報じた。

 東京都の石原慎太郎知事が21日,衆院の国会等移転特別委員会に参考人として出席し,東京からの首都機能移転に異をとなえた。

 同特別委を「一種の暗黒裁判」と表現し,国会が90年におこなった国会等移転決議を「ばかな決議」とこきおろした。

 石原知事は「東京の機能に欠陥はあるが,これほどの集中,集積が歴史的におこなわれた首都は世界に例をみない」と,あらためて移転に反対を表明。

 さらに,同特別委で候補地を絞りこむさい,第三者の審査がおこなわれるよう求めた。

 同特別委に移転候補地選出の代議士が多いことから「この顔ぶれに疑義がある」と指摘したり,国際空港問題の視点がないとして「あきれる」といったり。委員長に「品格のある言葉づかいをとたしなめられる一幕もあった。

 委員会終了後,記者会見した石原知事は「品がないといったって,のっぺりした手続きだけの議論をしたってしょうがない」と語った。
 

 3) 都知事であろうとも,当人いわく「のっぺり
した手続論」にじれるあまり,品のない言動が許さ
れるというわけではない。このことは,小学生の感
覚次元でも理解できるものである。

 石原慎太郎の発言方式はいつも,周囲の反発を買
うこと必至である。だから,衆院の国会等移転特別
委員会の委員たちは,関連する「国会決議」までを
「正当性」がないと決めつけた石原都知事を,こう
批判する。

 「委員会や国会決議に対する侮辱だ。なんでそれ
ほどまで先鋭的になるのか」「このままだと石原慎
太郎が反対するから,国家で移転を決めようという
空気も出てくる。冷静な議論をできないのか」など,
知事の発言に反発する声があいついだ。

 また,同委員会に参考人としてよばれた石原慎太
郎都知事が,参考人は質問できないとする衆院規則
をあえて無視し,この規則に納得するまで20分をつ
いやしたことも,委員会所属の委員たちに猛反発を
おこさせる原因となった。

 国家等移転特別委員会は現在,2002年5月をメド
に3か所ある移転候補地をひとつに絞りこむ作業を
すすめている。今回はその一環として東京都の考え
を知事に聞く狙いがあったが,議論は最初から最後
までほとんど噛みあわなかった(『日本経済新聞』2001
年11月22日)

 かりに,国会等移転特別委員会に対する問題点の
指摘において,まともなものがあったにせよ,都知
事のそのような態度,つまり,

 『オレのいうことを聞かない奴はバカだ』

というような口つきでは,まとまるものもまとまら
ない。

 4) 本ホームページの筆者は,来期の都知事選挙
では石原慎太郎を選ばないことが,都民にとってい
ちばん賢明な選択であることを主張している。

 すでに都民のなかには,石原都知事の行政手腕の
なかにはっきりその姿を現わしはじめた

           
ミニ・ミニ ヒトラー

を感知する人々が出てきている。

 やや遅きに失した感がなきにしもあらずであるが,
都民のみなさん,自称元一流作家であるこの人物に
いつまでも都政を負託するのは,危険このうえない
ことにぜひ覚醒してほしい。