石原慎太郎
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石原慎太郎を論じた図書の簡単な紹介


 石原慎太郎研究会編『ここがヘンだよ石原都政』現代書館,2000年8月25日

  ★「大英断の施政にまぶされた毒素を検出!」というのが,本書の売り文句。

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 本多勝一『石原慎太郎の人生−貧困なる精神N集−』朝日新聞社,2000年9月5日

  ★「ヒトラーに嗤われる男−石原矮小ヒトラー」を分析している。
 みみっちい小物の石原慎太郎を超大物のヒトラーさんに譬えては,ナチス総統だったアドルフ君に失礼というのが本多の指摘。
  ただし本書は「羊頭狗肉」の感がある。全巻にわたって石原慎太郎を論述していないから……。
 「石原慎太郎」を書いた箇所は一部分しかない。
 石原慎太郎に対する的確で,きびしい批判を放っている本多らしくもない〈売らんがため〉のタイトル命名法である。

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 その後発行された文献から紹介したい図書
 ★雑誌『インパクション』第126号,2001年8月(隔月雑誌),特集「石原慎太郎批判」。 
 

      石原慎太郎を


          無条件で


      ヨイショ


           する本
           

 

 
   ★森野美徳『石原慎太郎の帝王学』WAVE出版,2002年10月。

   a)   本書は,東京都知事の改革手腕と都市政策を検証する,という副題を付けている。慎太郎君の行政手腕を,ものすごく高く評価する。

   だが,慎太郎チャンの悪いところは,全然みないでいる。その点に関してはまるで,日光東照宮の「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿と同じ

   いわば,贔屓の引き倒しの感の強い本である。

   b)  「磯野家」と「石原さんち」を等置する「次男坊良純のいいぶん」を,そのままうけいれるところなどは,まったく〈マンガチックな印象である。   

   c)   民主主義の政治体制のもとでは,帝王〔学〕は不要な遺物である。日本の天皇〔制〕に関しても,だいぶ以前よりそういう時代になっている。

   こんなことは,わざわざ触れるまでもないものなのだが,著者の森野美徳さんは,どうもよくわかっていないようである。 

   つまり,「石原」を売るためとはいえ,時代錯誤のタイトルを付した,といわざるをえない。

   d)   著者の森野さんは「都政取材25年の敏腕ジャーナリスト」と謳われている。そうであるなら,石原慎太郎に対する批判的論及がないのは,摩訶不思議である。

   ミイラ取りがミイラに成るまえに,つまり,もともとミイラだったミイラが,本書の著者だったわけである。

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