テロ容認を堂々といいはなち,恥じるどころか,すこしも憚ることをしらない日本「国辱」ものの石原都知事は,即刻辞任せよ! |
= も く じ = |
● 石原知事「爆弾しかけられて当たりまえ」と発言,不審物事件 |
● 2003年12月22日に報道された記事 |
● 2003年12月23日に報道された記事 |
● 石原都知事に日弁連が警告書 |
● 西村眞悟議員「征伐隊事件」への関与 |
● 西村眞悟議員のテロ行為を煽る言説 |
●
石原都知事「爆弾しかけられて当たりまえ」
2003年9月10日,石原慎太郎東京都知事は,外務省の田中 均外務審議官の自宅で発火物とみられる不審物がみつかった事件について,「爆弾をしけられて,当ったりまえの話だ。いるか,いないかわからないミスターXと交渉したといって,むこう(北朝鮮)のいいなりになっている」と発言した。 http://www.asahi.com/special/nuclear/TKY200309100265.html
上記の記事は,石原慎太郎東京都知事が2003年初秋,残暑まだきびしいころに放った無責任な「テロ容認発言」を伝えたものである。 ところが,2003年12月19日,『建国義勇軍』や『国賊征伐隊』などと名のって銃弾を撃ちこんだ事件で,岐阜県の刀剣愛好家団体の会長ら6人が逮捕された。 その団体「刀剣友の会」は,一連の犯行のひとつとして,幸いにも未遂に終わったが,外務省の田中 均外務審議官の自宅に爆発物をしかけていた。 石原慎太郎都知事は,この犯罪行為を「当ったりまえの話だ」と断定した。 このような人間が日本国首都の代表者を務めている。日本の恥,いや世界中の,人類‐みなにとっての,大 恥 を具現しているのが,この男ではないか。
−−筆 者:裴 富吉はここに,石原慎太郎という人間が東京都都知事の職位にまったくふさわしくないことを宣告し,即刻,退任を求めるだけでなく,さっさと隠遁生活に入ることを勧告する。 |
警視庁や大阪府警,新潟県警などの合同捜査本部は,田中審議官宅事件で逮捕した「刀剣友の会」幹部らがほかの3事件にもかかわった疑いがあるとみている。 調べでは,田中外務審議官宅1階の駐車場わきにおかれていた不審物は,高さ約30センチ,直径約10センチのステンレス製ポットのなかに小型のガスボンベ1本が入っていた。 ポットの口からはリード線が延び,外部のプラスチック製容器とつながっていた。容器の中には電池パックや電子基板が入っていた。容器はタイマーともリード線で接続されていた。 ポットのそばに「建国義勇軍国賊征伐隊」と書かれた脅迫状がおかれていた。 捜査本部によると,同じ構造の不審物は2003年7月29日に新潟市のハナ信用組合新潟支店,8月23日に福岡市の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)福岡県本部と朝銀西信用組合福岡支店の計3カ所で1個ずつみつかった。 ポットやガスボンベの大きさにちがいはあったが,3個ともリード線が装着されていた。また,田中審議官宅事件をふくむ4事件で使われていたポットは,いずれも大阪の同じメーカー製で,ガスボンベも東京の同一メーカー製という共通点もあった。 田中審議官宅事件でおかれた不審物は,警視庁が同じ部品を使って複製したもので威力を調べたが,爆発する危険や殺傷能力がないことがわかった。このため捜査本部は「爆発物に似せた物や脅迫状をおいて,団体の威力をしめして脅迫した」として,最高刑が死刑の爆発物取締罰則ではなく暴力行為等処罰法を適用,友の会顧問で歯科医師の田中成治容疑者(50歳)を逮捕した。 新潟事件などほかの3事件の不審物も爆発するしくみではなかったという。
|
||
http://www.asahi.com/national/update/1222/017.html |
||
■ 広島県教組銃撃容疑で男逮捕−建国義勇軍,逮捕12人に 広島市の広島県教職員組合書記局が2003年6月に銃撃された事件で,警視庁などの合同捜査本部は12月22日,熊本市田迎1丁目,職業不詳,木村岳雄容疑者(34歳)を銃刀法違反〔発射〕と建造物損壊の疑いで逮捕した。 「建国義勇軍」などを名乗るグループによる一連の事件での逮捕者はこれで12人となった。 調べでは,木村容疑者は2003年6月27日午後9時半ごろ,岐阜県を拠点とする刀剣愛好家団体「刀剣友の会」会長で会社役員の村上一郎容疑者(54歳)=銃刀法違反などの容疑で逮捕= らと共謀して広教組書記局に拳銃2発を発射して,窓ガラスなどを壊した疑い。調べに「かかわっていない。しらない」と否認しているという。 捜査本部によると木村岳雄容疑者は,「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)熊本の関係者という。 「救う会」は12月22日,同会熊本の理事だったことを認めたうえで同日付で解任されたことを明らかにした。さらに「容疑が事実なら『家族会』や『救う会』が展開してきた救出運動への重大な裏切り行為であり,許すことができない」との談話を出した。
|
||
http://www.asahi.com/national/update/1222/026.html |
||
以下にさらに,2003年12月23日に報道された記事を紹介する ■西村眞悟氏――説明してもらいたい 「刀剣友の会」の会員による事件が広がりをみせている。「国賊征伐隊」や「建国義勇軍」を名のる者が,田中 均外務審議官の自宅に不審物をおいた事件についても,新たに会の幹部5人が逮捕された。 一連の事件に共通するのは,自分たちの主張に合わない者は暴力や脅迫で封じこめてしまえという発想であり,それを実行にうつしたテロ行為であることである。 田中審議官が狙われたのも,その対北朝鮮政策が気に食わないという理由だった。アーレフ(オウム真理教から改称)道場や広島県教組を銃撃したとして捕まった会長の村上一郎容疑者は,この事件にもかかわっていた疑いがもたれている。 危険きわまりない,この刀剣愛好家団体と関係していたのが,民主党の西村眞悟衆院議員である。 友の会の最高顧問を務め,政治献金もうけていた。入院中ということで秘書が談話を代読したにとどまっているが,それで済むほど軽い問題ではない。議員活動を再開するまえに,国民に対して本人の口からきちんと説明してもらいたい。 西村氏は談話で,事件は「寝耳に水」だったと驚いている。容疑が事実とすれば「犯罪行為を断じて許すことはできない」と批判し,「政治家として道義的責任を感じる」とも認めている。当然だろう。こんな事件を引きおこす人物と親交があっただけで,政治家としての見識が疑われる。 一方で,村上容疑者について「私の信条をよく理解してくださる好漢」とよんでいる。かねて民族主義者を自任し,「亡国」を憂えてやまぬ西村氏は,日本のあるべき姿を語って意見が合ったのだろう。まさか相手がテロ行為に及ぶとは想像もできなかった,ということなのか。 政治家に求めたいのは,「国賊」「天誅(てんちゅう)」といったことばが出まわる世相への警戒感である。そうした言葉がテロにつながりかねないという危険感覚にもっと敏感であってほしい。 いわんや,テロを助長するような発言はもってのほかである。 田中審議官宅の事件では,外務省を批判してきた石原慎太郎東京都知事が「爆弾しけられて,当ったりまえだ」といいはなった。弁明はあっても,撤回や訂正はない。 その石原氏と西村氏は,雑誌でしばしば対談し,意気投合している。日中間で領有権をめぐる対立がある尖閣諸島に1997年,西村氏が勇ましく上陸したときには,沖合まで同行した。 西村氏は,自由党と民主党の合併で民主党に移った。日本の核武装の検討まで主張する人でも無条件に入れるのか,疑問に思ったものである。民主党は西村氏と友の会の関係を調べる方針はしめしたが,党としての見解を述べるべきだろう。 ことは,民主主義の基本にかかわる。師走の慌ただしさに紛らせてはならない。
|
||
『朝日新聞』2003年12月23日朝刊「社説」。一部,「だ」の文章個所は「である」に修正した。 |
||
「刀剣友の会」とその会長会社役員の村上一郎が起こした「銃撃あるいは爆弾状不審物による脅迫テロ事件」については,つぎのような登場人物たちと関連の諸要因を併記するだけで,問題の核心とその原因が一気に理解できる〔いっぺんに氷解する!〕はずである。 @ 「刀剣友の会」村上一郎会長と西村眞悟国会議員との関係。 A 西村信悟国会議員と石原慎太郎都知事との関係。 B 石原慎太郎と北朝鮮拉致被害者蓮池 薫の実兄蓮池 透との関係。 B 「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)熊本の関係者である木村岳雄(職業不詳)のテロ犯罪行為。 C -1 「救う会」全国協議会会長の初代事務局長荒木和博は,拉致被害者5名が日本に一時帰国したとき,彼らに同行した北朝鮮関係者2名の殺害を当然視する発言を放って憚らなかった。 C -2 また,在日の北朝鮮系民族学校にかよう子どもたちが日本人による嫌がらせ・暴力をうけていることを,当たりまえとする発言もしている。 D さらにまた,同会の佐藤勝巳代表は,北朝鮮にいる拉致被害者の家族を武力行使してでも奪回せよと,日本政府をけしかけている。この佐藤の主張は,蓮池 透も共有するものである。 E 以上の項目をつなげて考えれば,こういう解説ができる。 ●−1 「北朝鮮の国家的テロ:拉致行為の被害者となった人たちおよびその家族」を支援・援助しなければならないといって,その救援活動をしてきた家族自身とその支援組織関係者のなかから,犯罪行為となる「突出した行動:テロ」を犯す者が登場してきた。 その「突出した行動」=テロ犯罪行為は, a) 北朝鮮〔朝鮮民主主義人民共和国〕関係の在日する諸機関(金融機関,教育機関)や, b) 北朝鮮と諸関係をもってきた日本人がわ関係者〔外務省をはじめ与‐野党の政治家〕 などについて,その存在じたいが許しがたいものと絶対的に考える態度から起きたのである。 ●−2 実は,2002年秋以来「北朝鮮による国家的テロ:拉致行為の被害者となった人たちおよびその家族」と「その支援組織」のおこなってきた政治的な活動:世論喚起の動きに強く影響されたからこそ,「民主主義の基本精神」を全面的に否定するような,そうした犯罪的テロ‐暴力行為が生まれたといってよいのである。 とりわけ,支援組織のひとつ「救う会」(「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」:会長 佐藤勝巳)の熊本「支部」の代表者木村岳雄(職業不詳)が,「刀剣友の会」の成員として犯罪的テロ‐暴力行為にくわわっていたことが問題である。 被害者家族の1人である横田 滋が代表を務める「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」が,「容疑が事実なら『家族会』や『救う会』が展開してきた救出運動への重大な裏切り行為であり,許すことができない」との談話を出して弁明をしたとしても,今回の事件発生は,彼らが組織する団体が本来有していた〈体質と活動〉に強い影響をうけておこったものである,という点に注目しなければならない。 ●−3 『家族会』や『救う会』はここ1年あまり,日本の世論に猛烈に働きかけるかたちで北朝鮮のテロ行為:拉致を非難しつづけ,日本社会をこの問題一辺倒にさせ,大騒ぎさせる態勢をつくってきただけでなく,日本国外務省の北朝鮮政策に多大な影響力を発揮,日朝国交正常化交渉を断絶させてもきたのである。 しかも,『家族会』や『救う会』は,拉致被害者およびその家族・支援組織の立場・やりかたに関してわずかでも疑問を投げかけたり,あるいは,北朝鮮との国交正常化に寄与しようと議論をしたりする専門家や知識人を,必死になって排除・圧殺し,言論の弾圧‐封鎖にひとしいような攻撃(バッシング)もくわえている。 そのせいもあってこの国においては,懸案である北朝鮮との国交正常化交渉に努力してきた日本政府外務省担当者や,在日朝鮮人関係の諸機関に対する犯罪的テロ‐暴力行為事件の発生をみて「当ったりまえだ」といってのけた人間が,なんと,いまも堂々と東京都知事を務めている。 非常に残念なことに,最近の日本は,そのような異常さがまかりとおる国である。 そして,あまつさえ拉致問題解決にとりくむある支援組織の1幹部は,2002年10月に日本人拉致被害者が一時帰国したさい同行した北朝鮮外交官を逆に拉致してしまい,どこかの海に沈めてやってしまえばよかったといったり,朝鮮学校の生徒・学生たちが暴力事件に遭っても当然だといったりもしたのである。 ●−4 以上,日本がわの関係者・関係組織の言説・行動をまとめて考えれば,「刀剣友の会」のテロ犯罪行為を起こした真因が,いったい,どこから生まれ,どのように合成されていったかその道筋を読みとることはたやすい。 要は,北朝鮮の国家的犯罪を糾弾する人物や組織が,日本国内ではその正反対の関係になって現われ,相手:国〔や在日の関係者・関係組織〕に対してテロ行為をくわえることを「当ったりまえだ」といい,実際そのようにおこなわせる社会的雰囲気をつくってきた。 もちろん,そうした逸脱‐犯罪行為を発生させた責任は,日本社会全体とくに,マスコミ言論界の偏向した報道姿勢にもある。また,日本政府わけても,自民党の幹部や一部国会議員〔安倍晋三や平澤勝栄,西村眞悟など〕の強力な後押しも,その原因を提供するのにおおきく寄与した。 ●−5 ともかく,『家族会』や『救う会』は,北朝鮮の拉致被害問題に関しては,ものすごい圧力をマスコミ界にかけて報道管制を敷くことに成功し,自分たちに都合の悪い,あるいは気に入らない記事をいっさい書かせなかった。 「彼ら」の姿勢を客観的にみるに,被害者の自分たちはなにをやっても許されるというような「絶対的な立場」に立っている。そして,それを逆手にとることによって,日本における「民主主義と自由」を絞め殺す作用をはたしてもきたといえる。 したがって,最近における日本社会の情勢・雰囲気に照らして判断するに,このたび生起した「テロ的な犯行」は,必然的に誘引された出来事と観察できる。石原慎太郎流に倣って無責任にいってのければ,そんなこと「当ったりまえ」だ,という雰囲気を充満させてきた。 今回の事件にまつわる「根本的な出立点:問題基盤」を検討するとき,「テロ的な犯行」を実行した犯人=「救う会」の1幹部の存在を,拉致被害者「救出運動への重大な裏切り行為であり,許すことができないとの談話」を出すことによって,自分たち=「被害者とその家族および支援組織」と関連のないものと切りすてるには無理がありすぎるというほかない。そのような弁解では,トカゲの尻尾切りにもならない。 ●−6 今回の事件をとおしてたしかに感得できるのは,北朝鮮拉致被害者の関係組織である『家族会』や『救う会』が,自分たちの主張に合わない者に対して,圧力や圧迫を執拗にくわえる姿勢,いいかえれば,政治力の行使や言論封殺で封じこめてしまえという発想に立っており,くわえて,それを実行にうつすテロ的行為さえ是認するごとき体質をふくんでいた,という事実である。
|
||
「刀剣友の会」会長会社役員の村上一郎などの起こした「銃撃あるいは爆弾状不審物による脅迫テロ事件」を,朝日新聞以外の,日本経済新聞,毎日新聞,読売新聞は,どのように報道していたか。その3紙の該当「社説」を読んでみたが,石原慎太郎東京都知事の「テロ容認発言」に言及したものはない。 上掲3紙の社説の内容は,ほぼ同じような記述であった(なお引用は一部分のみ)。 ◎『日本経済新聞』2003年12月23日社説……題名:「テロを生む土壌にメスを」 自由にものがいえ民主的な政治がおこなわれている社会を脅かすテロは,芽のうちに摘んでおく必要がある。 2003年11月から「建国義勇軍」などと名のり,朝鮮総連の関連施設や田中 均外務審議官宅などに銃弾が撃ちこまれたり不審物がしかけられたりした事件で,警視庁と8府県警は銃刀法違反容疑などで刀剣愛好会の会長ら12人を逮捕した。調べに対し,主犯格の「刀剣友の会」会長の村上一郎容疑者らは,犯行を大筋で認めている,という。 幸い死傷者が出たり,建物が燃えたりする被害は出ていない。だからといって,みのがしていい事件ではない。自分の主張を暴力で実現しようとしたり,自分が気に入らないと考える政策や意見を暴力で封殺しようとしたりする行為は,断じて許すことはできない。 テロ行為が民主社会の敵としてきびしく非難されるのは,暴力への恐怖をあおり「ものいえば唇寒し」という風潮を招くからである。 事件の母体となった「刀剣友の会」の最高顧問に民主党の西村眞悟衆院議員が就任し,政治献金や選挙の応援をうけていた。まさかテロ活動をしっての上ではないだろうが,同グループがどのような活動をしていたかはホームページで公開されている。民主政治の担い手である国会議員としての責任が問われよう。 http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20031223MS3M2300723122003.html
◎『毎日新聞』2003年12月21日社説……題名:「建国義勇軍事件−背後関係を徹底解明せよ」 「建国義勇軍」や「国賊征伐隊」などと名のって北朝鮮関係団体の施設を銃撃したり,政治家に銃弾を送りつけた一連の事件で,岐阜県の刀剣愛好家らの任意団体「刀剣友の会」の会長ら役員6人が,警視庁公安部など9都府県警の合同捜査本部に銃刀法違反などの容疑で逮捕された。 一連の犯行は右翼的思想に根ざしつつ,暴力によって対立する意見を封殺し,相手を畏怖,萎縮(いしゅく)させようとするものである。しかも,みずからは正体を隠し,不気味さを強調して社会全体へと効果の波及を図ろうとする犯行は,卑劣きわまる。 あらためて指摘するまでもなく,民主主義は言論の自由を保障する一方であらゆる暴力を否定する。対立する意見にはあくまでも言論で対抗すべきであり,やくざまがいの暴力,脅迫は断じて許されない。 だが,暴力や不気味さは人々に恐怖心以上に嫌悪感を抱かせるだけだ。自分たちの主義,主張を真に広めたいのなら,正々堂々と言論によって訴えるしか方策はないことをしるべきである。 不可解なのは,民主党の西村眞悟衆院議員が「刀剣友の会」の最高顧問を務め,逮捕された会長が経営する会社などから政治献金をうけとったり,同会の宴席に出席するなど親しい関係にあったことである。最高顧問への就任は,逮捕容疑となった3件の事件の直後で就任後も事件は繰りかえされている。 西村議員は入院中だが,1日も早く,事件への関与の有無はもちろん,最高顧問を引きうけた理由,相互の思想的な影響などについて明快に説明すべきである。捜査当局の事情聴取にもすすんで応じるべきである。いささかでも暴力行為にかかわっていたなら,民主主義を率先してになう国会議員の資格はない。 歴史を振りかえると,不況が長びいたり,道徳的荒廃や所得格差などが問題化すると,テロ行為が起きている。今日もけっして楽観できる状況とはいいがたい。 警察当局が不穏情報の収集や銃器対策などに力を入れるべきは当然だが,政策決定が不透明であったり,利権や不正・腐敗構造が一掃されないでいるようでは,この種の事件の病根は断ち切れない。政府や国会の責任も問われねばならない。 http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200312/21-1.html
◎『読売新聞』2003年12月21日社説……題名:「『征伐隊』逮捕−民主主義を脅かす卑劣な行為」 正体を現わさないまま,暴力的手段で個人,団体の言論や活動を封じこめようとする。民主主義社会を脅かす,卑劣きわまりない行為である。 「国賊征伐隊」や「建国義勇軍」を名のるグループによる拳銃発砲など一連の事件で,「刀剣友の会」の会長ら6人が逮捕された。 言論には言論で戦おうとせず,テロなどの直接的な手段に訴えることは,その言論が敗北したも同然である。どんな理由があっても許されるものではない。会長は,会報のなかでみずからを「良識ある日本人」「誇りある日本人」だと書いているが,まったくあいいれない行為である。 民主党の西村眞悟衆院議員が,2003年7月から「刀剣友の会」の最高顧問に就き,議員が支部長を務める政党支部は,会長が経営する会社から計210万円の献金をうけていた。 西村議員は「政治家として道義的責任を感じる」とする談話を出したが,結果として,テロ集団に社会的な信用を与えていたことになる。責任は重大である。 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20031220ig91.htm
−−以上3紙の「社説」は,若干の相違もあるが,似たりよったりである。民主党の西村眞悟衆院議員の政治的責任に言及している点も共通している。 西村に対しては,「民主政治の担い手である国会議員としての責任が問われる」のは,「テロ集団に社会的な信用を与えていたことにな」り,その「責任は重大である」からである。したがって,「いささかでも暴力行為にかかわっていたなら,民主主義を率先してになう国会議員の資格はない」とまで,批判を与えている。 西村の政治‐言論活動は,「建国義勇軍」や「国賊征伐隊」などを名のった「刀剣友の会」の会長たちをテロ行為に走らすような,強い影響を与えた。にもかかわらず西村は,そのことへのかかわった責任を棚に上げたまま,事件発生後こういいわけしている。
西村は「今回の事件について,私自身事前にしらされていたこともなく,まったく寝耳に水のこと」だといった。だが,こういう弁解はいうまでもなく,「当ったりまえ」のことである。そんなことを西村が事前にしっていたら「止めさせなければいけなかった」し,もしも「気づいていて黙過したなら」まちがいなく,共犯者である。 西村自身の政治的活動にとって助けとなる政治献金をうけた団体がテロ犯罪を犯し,しかも,西村という議員の政治信条に共鳴するかたちでその行為が起こされたのである。 以上は,「いささかでも暴力行為にかかわっていたなら,民主主義を率先してになう国会議員の資格はない」という重大問題に該当するのが,西村という国会議員であることを意味する。 政治家のつたない常套的な用語法の駆使とはいえ,「今回の事件は事前にしらず,寝耳に水」などというごとき詭弁は,ほどほどにすべきである。西村の政治家としてのふだんの言論活動が,彼ら犯罪集団にとって追い風となった事実を否定できない。 西村が「刀剣友の会」主催の講演会によばれて話をしたとき,「北朝鮮をやっつけなければならない!」という趣旨を,まちがいなく披露したはずである。この点は,ふだんにおける彼の言説から容易に推断してよいのである。 そう推量できるとしても,両者の関係においては「いわゆる相乗作用(!)」も働き,両者の意志における直接の関連はないようなものの,いわず語らず:以心伝心的に「刀剣友の会」の犯罪行為が起こされたとみても,なんら不思議はないのである。 また,政治家が政治献金をうけても,その相手との関係はみな個人的なつきあいでのものだとかたづける理屈じたい,そもそもおかしい。政治家としての公的なつきあいを個人的な関係にすぎない,といいわけする奇妙キテレツな弁解はとおらない。 それでは,法律にしたがい「公にもらったはずの政治献金」がその議員の政治的活動にではなく,個人的に費消されたものと理解していいのか? 政治資金法に関していえば,そんな理屈は通用しない。 政治家の公的活動をまかなうためになされる政治献金が,政治家の「個人単位に献金される」ものであるからといっても,政治家「個人の生活費」のために当てられるべきものでないことは,当然である。 −−要するに,「刀剣友の会」の会長である村上一郎「個人」と政治家である西村議員「個人」とのつきあいは,政治献金や講演依頼などをつうじて「公的な交際」をしてきた。この公の「政治的なる個人間の交際」を,「個人的なつきあい」にかぎられたものと説明するのは,日本国の選良=衆議院議員とも思えないような幼稚ないいぶんである。 西村よ,詭弁を弄することなかれ!
驚かねばならないのは,上段に引照した日本経済新聞・毎日新聞・読売新聞の3紙すべてが,石原の「テロ容認発言」には一言も触れていないことである。 「刀剣友の会」会長会社役員の村上一郎などの起こした「銃撃あるいは爆弾状不審物による脅迫テロ事件」は,田中 均外務審議官の自宅に爆発物のようなものをしかけ,テロ的に脅迫する事件もふくんでいた。 その事件が発生したことをとらえて,田中 均外務審議官の自宅に「爆弾をしけられて,当ったりまえの話だ」といってのけたのが,東京都知事の石原慎太郎であった。 西村議員の事件への関連も重大事であるが,それ以上に石原都知事のそうした「テロ容認発言」のほうがはるかに深刻な問題である。筆者のしるかぎり全国紙で,その点を指摘・批判したのは,朝日新聞の社説しかなかった。 いまや,日本のマスコミ‐言論界の衰退は末期的な様相を呈している。何人もの識者が,最近における日本社会をとらえて1930年代に似てきたという認識をしめしている。さもありなん,という感じである。 石原都知事は,今回の「テロ行為」事件を起こした犯罪を当然視し,さらに煽るような発言をした。この日本という国は,その人間をろくに批判も指弾もしない。 なんと情けないことか,なんと救いがたいことか。倫理的にずいぶん堕落,道徳的にひどく無神経……。 慎太郎だけには,なにか超特権でも付与されている,とでもいうのか?
|
||
【 2003年12月24日,記述 】 |
||
■ 石原都知事に日弁連が警告書−女性誌の「ババア発言」で
2003年12月25日日本弁護士連合会(本林 徹会長)は,石原慎太郎東京都知事が2001年に,雑誌のインタビューなどで女性に差別的な発言をしたとして,発言の撤回を求める警告書を知事に提出した。 石原知事は「週刊女性」の2001年11月6日号で,学者のことばを引用しながら「『文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババア』なんだそうだ。『女性が生殖能力をうしなっても生きているってのは無駄で罪です』って」などと述べた。 警告書では「女性に対する暴力で,人格的に侮辱するものだ」と指摘している。 この発言をめぐっては,都内に居住・勤務する女性らが石原知事を相手に,損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしている。 http://www.asahi.com/national/update/1225/026.html
−−筆者は,べつのページ『石原慎太郎の都知事再選は不可である− 5 やたら女性〔=他者〕を蔑視し,大物ぶる都知事』において,この男が骨絡みで身につけている「女性差別の野蛮精神」を批判した。 東京都に住む女性たちはなぜ,そうした〈あからさまな女性差別〉を平然と発する東京都の為政者を敢然と阻止せず,再選させてしまったのか。 また,日本国に生きるすべての女性はなぜ,女性差別をとおして典型的に理解できるように,この「差別のデパートメント・ストアーみたいな男」を指弾しないのか。 慎太郎の発言は全女性に対する暴力的な侮辱であり,「女性=人間」蔑視の価値観を披瀝した粗暴・野卑な言説であるのに,女性たちからそれほど反撥が出ていない。 石原にいわせると,閉経期を迎えた女性「ババア」はみな,「生きているってのは無駄で罪」であり「もっとも悪しき有害なもの」なのである。この話にはむろん,慎太郎の女房→悪しき有害なもの:無駄で罪なババアもふくむものである。 慎太郎にバカにされて反論も批判もなにもしない女性たちよ,女性がこのように,バカにされたままでいいのか,人間の半分を占める女性がそのように,コケにされつづけてもかまわないのか。 なんと,不思議の国: 日 本 !
|
||
【 2003年12月26日,記述 】 |
||
■
西村眞悟議員「征伐隊事件」への関与を否定
2003年12月29日,一連の征伐隊事件で,主犯格とされる村上一郎容疑者(54歳)=銃刀法違反容疑などで逮捕=が主宰する「刀剣友の会」の最高顧問となっている西村眞悟衆院議員(民主党)は大阪府堺市内で記者会見し「事件は寝耳に水。関与したことはない」と,再度述べた。 村上容疑者とは「思想信条で共鳴し,個人的な信頼関係があった。交際に落ち度はない」との考えをしめした。 そのうえで,「自分は弁護士でもあり,信条は罪を憎んで人を憎まずだ。一つの逸脱行動から全人格を否定することはない」と強調した。村上容疑者がわからの献金は返還せず,刀剣友の会最高顧問も「捜査の進展を待って判断したい」と辞めない意向を表明した。 村上容疑者が計画したとされる田中 均外務審議官宅の不審物事件については「言語道断」と指摘しながらも,田中氏の対北朝鮮外交の姿勢に対し「国益に反する」と批判的な持論を展開した。 〔共 同〕 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031229AT3K2901K29122003.html 『日本経済新聞』2003年12月30日。
2003年12月29日,民主党の西村眞悟衆院議員(55歳)は,大阪府堺市の市民会館で記者会見し,内定していた衆議院災害対策特別委員長への就任を「辞退したい」と語った。 建国義勇軍などを名乗る銃撃事件で,自らが最高顧問を務める「刀剣友の会」の村上一郎会長(54歳)らが銃刀法違反容疑などで逮捕されたことから,「信頼関係にあった人物が犯罪行為に加担したことへの道義的責任」を辞退の理由にしている。 西村議員によると,12月8日から28日まで脳内出血で大阪府内の病院に入院していたが,症状がよくなり退院した。一連の事件への友の会の関与はまったくしらなかったといい,「なぜあんな幼稚なことをしたのだろうと思う」。 「村上氏と私が共鳴した思想は,銃弾をぶつけようなどという行動にむすびつく思想ではなかった」などと語った。 そのうえで「疑惑を回避し,注意深く遠ざけるのも公人の務め。内定を辞退するのがある意味でのけじめのつけかた」と話した。 一方で,村上会長が役員を務める会社などからうけた218万円の政治献金については,「私の政治活動,政治信条に対する献金。かえす考えはない」と説明した。最高顧問についても「会の活動と犯罪は別物だ。ただ,メンバーがやったということなので,捜査の進展を見て考えたい」と話し,すぐに辞任する考えはないとした。 12月28日,民主党の鉢呂吉雄総務局長は,退院した西村氏と面会し,事情を聴いた。 岡田克也幹事長が同日発表した談話によると,西村氏は「刀剣友の会」の会長と「政治家と支持者としての一定の関係があった」ことを認めたが,「建国義勇軍事件」とのかかわりについては完全に否定したという。 http://www.asahi.com/politics/update/1229/003.html 『朝日新聞』2003年12月30日朝刊。
【筆者コメント】 西村眞悟は議員を辞めない理由に,今回のテロ的事件を起こした〈刀剣友の会〉との「交際に落ち度はない」ことと,「罪を憎んで人を憎まずだ。一つの逸脱行動から全人格を否定することはない」ことを挙げていた。 だが,そうした理由は,自分の立場を必死にかばうための理屈に聞こえる。事件を惹起させた〈刀剣友の会〉との「交際」があったことじたい問題であるのに,その当人が「問題ない」といいわけするのでは,それこそ「話にもならない話」の「眉唾もの」である。 西村が「ただ道義的責任は感じ」「内定している衆院災害対策特別委員長への就任は辞退する」と対応したのは,今回事件の「責任問題」がこれ以上自身に波及し追及されることを避けたいからである。 「弁護士として:うんぬんの説明」があったけれども,こういう論法:便法は「悪知恵」の域を出ていない。たしかに,弁護士の資格をもつ人間としてその知識を悪用した「弁解の駆使」はみられる。しかし,西村の態度は,法曹の職業に従事する立場,そして国会議員の立場が,直接政治的に問われることを極度に恐れたものである。 西村が政治家的なつきあいをもった〈刀剣友の会〉の起こしたテロ事件に「ただ道義的な責任」のみ負うという逃げの姿勢が,基本的に問題ぶくみである。 西村は〈刀剣友の会〉の「罪を憎んで人を憎まずだ。一つの逸脱行動から全人格を否定することはないと強調」する立場にあるようだが,北朝鮮という難物国家との外交交渉を担当,小泉首相の訪問までお膳立てしてきた日本国外務省の田中 均審議官のやりかたが気に食わないといって,この田中個人を猛烈に非難‐攻撃してきた。 それゆえ,西村が最高顧問に就任し「一定の関係があった」「刀剣友の会」村上会長などが,今回の「テロ」事件をおこしたものと推理されてよいのである。ところが,その「会の活動と犯罪は別物だ」などときわめて特異な思考をしめすのは,さすが弁護士ならではの屁理屈である。 そのような理屈をさらに敷衍すると,「西村眞悟と〈刀剣友の会〉」とは別物:無関係だというごとき,とうていありえないド屁理屈さえ導出できる。 まぜっかえしていうなら,西村はいつから〈刀剣友の会〉の顧問弁護士になったのか。もらった政治献金は実は,弁護士顧問料だったのかもしれない。 西村は既述のように,「私の(政治)信条をよく理解してくださる好漢」が村上会長だといっていた。そして,その者たちがテロ的犯罪を犯したのである。 〈刀剣友の会〉と暗愚な関係をもった西村は,自分の不徳を恥じるだけでなく,同会より政治献金をうけた関係も深く反省すべきところであるにもかかわらず,もらった献金はかえさないといっている。 もしかすると,そのお金はもうつかってしまったのか? それとも手もちの現金がなくて,かえそうにもかえせないのか? ふつうならこういう事例では,もらった政治献金をサッサと返却する議員が多い。もっとも,〈刀剣友の会〉は村上会長以下多数逮捕され身柄を拘束されているから,かえそうにもかえせないのか? また,西村が「辞退したい」と語った「内定していた衆議院災害対策特別委員長への就任」は,「信頼関係にあった人物が犯罪行為に加担したことへの道義的責任」をその理由にしたという。 けれども,「村上氏と私が共鳴した思想は,銃弾をぶつけようなどという行動にむすびつく思想ではなかった」とはいいきれないところに,そもそもの問題があったのである。 要点は,西村の政治的発言が「テロ行為」にむすびつく思想・信条であるか否かにではなく,〈刀剣友の会〉の「テロ行為」をまさしく煽ったそれだったということにある。 〈刀剣友の会〉が「なぜあんな幼稚なことをしたのだろうと思う」と,西村は語った。ともかく,自分の政治的言説の影響力・共鳴力には十分気づいていながらも,いまでは,摘発された今回事件の余波が自身の立場におよばないよう,いいかえれば「疑惑を回避し,注意深く遠ざける」ことに懸命なのである。 いずれにせよ,西村自身がその会と「一定の関係」をもち,「テロ行為」を助長するような「政治家的な言説:思想と信条」を盛んに説いて〔吹いて〕きたのである。 だからこそ,〈刀剣友の会〉の起こしたような幼稚な犯罪行為が誘発されたといえる(→もっとも,テロ的犯罪が幼稚だなどといえるのか?)。
|
||
【 2003年12月30日,記述 】 |
||
■
西村眞悟議員が村上一郎会長「刀剣友の会」に与えた影響 西村眞悟衆院議員(民主党)は,2003年12月29日,一連のテロ行為を実行した事件で,主犯格とされる「刀剣友の会」会長村上一郎容疑者(54歳)とその会員たちが逮捕された事件に関して,こう述べた。 西村は,「刀剣友の会」の最高顧問となっているが,今回の「事件は寝耳に水。関与したことはない」。ただし,その会との関与をもっていた〔政治献金をうけたり講演依頼に答えたりした〕点に「道義的な責任を感じる」と答えた。 そして,「国会議員の辞職は考えてもおらず」,同会からうけた「政治献金をかえす必要も感じない」との態度を明らかにした。 筆者は,自身の「言説:政治的思想と信条」が村上会長「刀剣友の会」に与えた影響力を皆無といいはり,独断的,責任回避的に判断した西村眞悟議員の弁解を疑うのである。 その証拠といってはなんだが,西村は明らかに,両者のそうした関連性を推測させるに十分な発言を盛んにおこなってきた。 −−以下は,西村眞悟個人のホームページより拾いあげた〈問題化しうる発言〉の数々である。
|